写真に彩りを・・・RAW現像(色編集)してみませんか?


横浜・横須賀の出張カメラマン・中村です。
皆さん、左の写真と右の写真、どちらがお好みですか?
私は右の写真が好みです。この写真をお納めしたお客様も右の写真で喜んで頂けました。
私が思う写真とは、その写真目的によってどうあるべきかが変わってくると思いますので、このような家族写真は鮮やかで美しく、見る人が笑顔になるような写真であれば、現実と違ってもいいかと思っています。なので作品と考えております。

そこで今回のブログでは、皆様にもそんな写真を残して頂けるようにRAW現像の仕方を少しだけご説明しようと思います。
RAW現像の仕方は様々ですので、私の手法が必ずしも正しいとかではないです。
色んなやり方があっていいものですので、参考の一つになさってください。

笑顔になれる家族写真とは

今回、写真は家族写真を前提に考えます。
そこで見た人が笑顔になるような家族写真とはどんなものか、RAW現像(色編集)の観点で考えてみます。

私が思うには、「影など黒色が少ない」、「写真全体が優しい雰囲気」、「明るい感じ」、「色使いが鮮やか」、「肌つやがいい」とかでしょうか。
それをもとにRAW現像したのがタイトルにある写真の左から右の変化になります。

私はAdobeLightroomを使ってRAW現像しております。
皆さんには色んなソフトで出来るように編集項目のみでお伝えしますので、各工程を経て写真がどんな風に変化していくかイメージして頂ければよろしいかと思います。
では、早速やってみましょう!

写真を明るくする

まず最初に写真全体を明るくします。

そのためにはまず最初にコントラスを下げます。
一端、写真全体が暗くなりますがご心配なく。
コントラストを下げることで、写真の明暗差を減らします。
そこで次に、写真全体の露光量を上げます。
そうすることで写真全体が明るくなります。

なんだかこれだけでも綺麗な写真になったように思えませんか?
でも、まだまだ手をかけられます。
もう少し頑張りましょう!

コントラストを-80%にします
露光量を+1.2にします

鮮やかさを加える

次に色を鮮やかにする加工をします。
ここの変更が俗にいう「映える」か否かを左右する要素になります。

まず左にある色温度の変化。元の画像より若干上げてます。若干、人の顔色がよくなったように見えませんか?

次に彩度を上げます。これはお好みで。
彩度を上げることで肌色や木の幹、葉の色が鮮やかになりました。

色温度を6100にします
彩度を上げる

人物を際立たせる

次は人物を背景より際立たせます。

最初に写真全体のコントラストを下げたことで、被写体が薄くなってしまいました。
今の編集ソフトはAI機能があるものが多く、今回はAIで人物のみを抽出しました。
そのうえで人物のコントラストを上げ、且つシャドウ(影の部分)を明るくしました。

更に次は、人物の顔を明るくしてます。
この時、男性とお子さんは同じ明るさ。成人女性はそれよりもさらに若干明るくしています。
これはお化粧をしている方が多いことから、その色をきれいに見せるためです。

人物だけコントラスを上げる&シャドウを上げる
人物の顔を明るくする

柔らかさを加える&構図調整

そろそろ仕上げです。
写真を柔らかい雰囲気にします。とても天気の良い春の日差しのイメージです。

これには写真への効果として「テクスチャ」、「明瞭度」、「かすみの除去」という項目の値をそれぞれ下げます。
こうすることで若干靄がかかったような感じになり、それが優しい雰囲気を写真に加えます。

次に構図の調整。
実はこの写真の左縁に人が写っています。
それを消すためとご家族をもう少し大きくしたいのでトリミングをしました。

テクスチャ、明瞭度、かすみの除去を下げる
不要部をトリミングする

仕上げ

右の写真は仕上げたものです。
上のトリミングしたものから、ある部分が変わっているのですが分かりますか?探してみて下さい。答えを書く前に数行開けます(笑)





実は写真の中のご主人様と奥様の間、後ろに人が写っていたのを消しました。
この日は今シーズンで最高のお花見日和。お花見で有名な公園ですので人が写りこまないことはほとんどありませんでした。
なので上で構図調整を兼ねて人を消したのもありますが、それだけではどうにもならないところも今ならAIに頼れます。

私の場合はAdobeのPhotoshopのAI機能で不要部分を消しました。すごく簡単ですし、違和感なく消せていますよね?

これにてお納めする写真の完成です!

写真家がこのように現実では起きないような色使いをしたり、あったものを消したり。逆に無かったものを出したり。これには賛否があると思いますが、私個人の意見は冒頭にも書いた通り、その写真の目的次第だと思います。
なので今回のようなご家族が幸せそうに写っている写真を見て笑顔になってもらえるなら、今回のようなRAW現像はよいと考えております。

いかがでしたでしょうか?
今ならパソコンを使わずとも、スマホでも色編集はできますね。
あとRAWデータを使わなくてもJpegなどスマホで撮ったものも似たような編集が出来ると思いますので、是非、ご自身で撮った写真にひと手間加えて、素敵な思い出を残してください。

写真で笑顔になって頂く。私がご家族の写真を撮るときの大切なモットーでもあります。
是非、ご依頼をお待ちしております!

La lumiere 中村享弘